栄養科
栄養科の役割
当院では管理栄養士の病棟配置を行っており、入院患者さんの栄養状態の維持・向上に努めています。入院時は患者様や家族に嗜好や食物アレルギーについて聞き取りを行い、また食事についてのご意向を確認しています。入院中は食事が美味しく安全に食べられているかミールラウンドにて確認し調整を行うとともに、摂取栄養量に過不足ないか等を日々確認し、病状や主治医の治療法方に合わせた食事内容や形態を提案しています。
業務目標
1、衛生管理を徹底し、安心・安全な食事を提供する
2、患者満足度の向上に努めていく
3、チーム医療に基づいた栄養管理
4、患者の状態を早期に把握し、多職種で介入していく
入院中の食事
■ ニュークックチルシステム
当院では「安全で美味しい食事」を提供するために、2021年12月にセントラルキッチン赤岩を開設し、同時に「ニュークックチルシステム」を導入しました。
「ニュークックチルシステム」とは、加熱調理終了後30分以内に冷却を開始し、90分以内に中心温度が3℃以下になるよう冷却し、低温(チルド)で保管、料理を低温(チルド)状態のまま盛付、食事提供前に器ごと再加熱するシステムです。細菌が発生しやすい温度帯を短時間で通過させるため、食中毒のリスクを排除できることがポイントです。加熱した料理を一度冷やすことによって、食材の中まで均一に味が染み込むようになり、同じ塩分量でも美味しく仕上げることができます。
■ 食事の種類
入院中の食事は「一般食」と「特別治療食」に分けられ、年齢や病状などに応じて適切な食事が提供されます。また、摂食嚥下機能、安静度に応じて安全で食べ易い食事形態に配慮した食事の提供や、食欲低下などで摂取量が少ない場合は管理栄養士が食事の様子を観察し、嗜好に合わせた個別対応の食事提供をしています。
■ 食形態について
嚥下調整食とは
加齢や病気の障害によって食べ物を噛む力(咀嚼機能)や飲み込む力(嚥下機能)が弱くなってしまうと、健常者と同様の食事を食べるのが困難になります。そのため、口の中で簡単にすりつぶせるようにする、水分にとろみをつけて飲み込みやすいようにするなどの調整をし、嚥下能力に配慮された食事を「嚥下調整食」といいます。
当院では「日本摂食嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食学会分類2021」に準じた食形態の提供をしています。
0j:嚥下訓練ゼリー(リハビリテーションで使用)
1j:一部栄養補助食品など
2-1:ミキサー食
3:ソフト食
非該当:普通・一口大(1cm角)
■ 行事食
患者様が季節感を感じられ、普段の食事との違いを楽しんでもらえるよう日本の年中行事がある日に合わせて行事食を提供しています。
■ 自助食器・自助具について
「自助食器」「自助具」とは、上手に食材をすくえないなど、身体を上手に動かすことのできない人のための食器・食具です。より多くの方が快適に食事を楽しむため「自分で食べる」を支援します。
当院では自助食器を採用しており、必要な方には給食で自助食器に盛り付けて提供しています。また、色付きの自助食器は、色の効果でお料理を分かりやすくします。視力が悪い方でも最後まで自分でたべられるとお声を頂いています。
自助具の使用が必要な方には作業療法士と連携を取り、自助具の選定を行っています。
■ 栄養管理手順
入院患者の栄養管理手順
■ NST活動
NST(Nutrition Support Team栄養サポートチーム)とは、患者様に最適の栄養療法を提供するために、多職種で構成された医療チームのことです。
当院では、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士が参加し、栄養療法を提案し、治療支援を行っています。
【各職種の役割】
【赤岩NSTだより】
2月に1度発行し、患者様が円滑に栄養改善できるよう努めています。
■ 栄養相談
入院時管理栄養士で患者さんや家族に食物アレルギーの聞き取りの他、嗜好や病前の食習慣を伺っています。それらを考慮し、生活環境下で実施できる内容を検討し、入院1週間後を目途に動機付けや意識付けを行い、退院時には生活環境下のリスクに合わせた具体的な指導を行っています。
■ 栄養情報提供書
患者様が転院後も切れ目ないサービスが受けられるよう、管理栄養士は入院中の食事内容や栄養量など報告を行っています。