MRI
光生会病院では平成25年2月にフィリップス社製新型MRI装置“Ingenia 3.0T”(インジニア 3.0テスラ)を導入しました。この装置は高解像度画像を得ることができるため、従来では見えなかった小さな疾患でも正確に検出することができます。また、それだけではなく検査を受ける方の環境を大幅に改善させるシステムを採用し、更には時間短縮撮像技術による短時間検査も可能となっており、検査を受けられる方の負担も軽減されます。
- 1.MRIとは
- 2.その原理は?
- 3.テスラ(T)とは?
- 4.CTと比べたときのMRIの利点、欠点は?
- 5.早期アルツハイマー型認知症の検査に活用(VSRAD)
- 6. MRI検査の注意点は?
- 7.MRI検査実績
1.MRIとは
MRIとは、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の頭文字で、磁場と電波を利用した画像撮影法のことです。MRIは、X線を用いて撮影するCTとは異なり、磁力を使用しているため放射線被ばくがありません。
2.その原理は?
MRIの原理は非常に難解ですので、簡単に説明させていただきます。体に電波(ラジオ波)を照射すると、ラジオ波はエネルギー(熱)ですので、体はそのエネルギーを受け取りますが、照射を止めると、従来のエネルギーに戻ろうとします。
戻ろうとした際に体から出てきたエネルギーをMRI装置がキャッチし、それを画像にしています。
3.テスラ(T)とは?
MRIを説明する際にテスラ(T)という言葉を使用します。テスラは磁場の強さを表す単位です。身近な例でお示しすると、肩凝りに使う家庭用磁石入り絆創膏(商品名:ピップエレキバン)は80 ~190ミリテスラ、つまり0.08 ~ 0.19テスラです。
テスラの数字が大きいほど磁場が強いことを意味し、MRIにおいては質の高い画像の描出、検査時間の短縮が期待できます。ちなみに当院では3テスラという超高磁場MRI装置が導入されています。
4.CTと比べたときのMRIの利点、欠点は?
MRIが優れている主な点としては ①放射線被ばくが無い、② 組織のコントラストが優れる、③ 造影剤を使用しなくても血管などの画像が得られる、という利点があります。
逆にMRIの主な欠点としては ①検査時間が長い、② ペースメーカーや体内金属があると施行できない、③撮像の際の音が大きい、④CTと比較し装置が大きく、閉所恐怖症の方が撮像できない可能性がある、⑤動きに弱く、画像が劣化することがある、などがあげられます。
MRIは最初からいろいろな断面が撮像可能で利点とされていましたが、近年のCTでもいろいろな断面から見られる様になっています。
CTやMRIには上述の様な利点、欠点があるため、撮影部位や病気の種類、患者様の病状によりCT・MRI検査のいずれか、または両方を施行致します。
5.早期アルツハイマー型認知症の検査に活用(VSRAD)
光生会病院では、エーザイ様のご協力により、早期アルツハイマー型認知症の診断支援ソフトとしてVSRADを導入いたしました。これは、臨床的にアルツハイマー型認知症が疑われる症例において、早期アルツハイマー型認知症の補助診断支援情報として使用するものです。これにより、MRIの画像診断においてこれまで目視では難しかった早期アルツハイマー型認知症診断の支援情報を提供することが可能となりました。
6.MRI検査の注意点は?
先ほども述べさせていただいた様に、MRI装置は強力な磁石を使用しており、金属を持ち込むと引き付けられて飛んでしまう事があり、大変危険です。また下記の方も検査ができないことや念のために着替えをして頂く事がありますので、検査前に担当医や看護師、放射線技師と相談して下さい。